ハラスメントに悩み、管理者に待遇改善を求めてもなかなか解決に向かわないこともあります。相談を聞くだけで、実際に有効な取り組みをできている職場というのはそこまで多くないのが現状です。そのまま一人で悩みを抱え込んでしまってはいずれ限界が訪れます。そうならないよう、労働者の味方となる「労働組合」に力を借りることを検討してみましょう。
介護業界で働く人向けの労働組合の一つに「日本介護クラフトユニオン(NCCU)」があります。この労働組合は2000年の介護保険制度導入と同時に始まり、現在は約8万人の組合員がいます。日本介護クラフトユニオンへ加入する場合には2つの方法があります。一つは企業単位で加入する「分会所属組合員」で、費用は月例賃金の1.5%ほどです。最低500円からで、最高でも3,000円までとなっています。そしてもう一つが、企業単位では加入できない人向けの「個人組合員」で、こちらの費用は一律で1,500円となっています。
また、「福祉保育労働組合」もあります。介護・保育の仕事をしている人向けで、高齢者向け介護施設、児童養護施設、保育所など、民間の福祉で働いている人ならだれでも加入できます。相談は電話やメールで受け付けており、ハラスメント問題を含めた介護現場で困っていることや、そもそも組合とはなにかについてなど幅広い内容の相談を受け付けています。前身の組合を含めると50年以上の歴史があり、職場だけではなく国や自治体への働きかけを積極的に行っています。
介護・保育・福祉業界で働く人の労働相談を受け付けている労働組合として「介護・保育ユニオン」というものも存在します。こちらも電話やメールで無料相談を受け付けています。2016年に発足した比較的新しい労働組合となりますが、労働環境改善に向けた働きかけを積極的に行っています。
全国の介護や保育、障がい者福祉の業界で働く人から、働き方について相談を受け、相談者の問題解決のサポートを行っています。労働基準監督署などの行政機関の利用サポートや、会社との話し合い(団体交渉)などを行い、問題の解決に取り組んでいます。
<介護・保育ユニオンから引用>
介護の仕事をしている人は責任感があって我慢強い人が多いです。それゆえに悩みや不満を一人で抱え込んでしまう傾向があります。ですが、ハラスメント問題は自分だけではなくその職場全体の問題です。なので、こういった労働組合を積極的に活用して、環境改善に取り組んでいくことが必要なのです。
ただし、職場と対立して敵対関係になってはいけません。労働組合は職場と対立しがちですが、敵対が深刻化して職場が成り立たなくなってしまっては自分の仕事を失ってしまうことになります。そのため、要望は伝えながらもあくまで自分と事業所双方が歩み寄っていく姿勢を忘れないようにしましょう。
本ウェブサイトは、ハラスメントに悩む介護職のみなさんに役立つ情報を紹介しています。介護業界を取り巻くハラスメント問題の現状や対処法などを知り、環境改善に取り組んでいきましょう。「お問い合わせフォーム」