ハラスメントとは、日本語でいうと嫌がらせやいじめに近い意味合いの言葉となります。その行動や発言をした人の意図とは関係なく、相手の尊厳を傷つけたり不利益・脅威を与える場合はハラスメントになります。介護現場におけるハラスメントについてみていきましょう。
加害者側が「傷つけるつもりはなかった」と言っても、被害者側がハラスメントと受け止めるのであれば、それはハラスメントとして成立するというのが一般的な考えです。人種や民族などに対する差別は重大な人権問題ですが、ハラスメントも同様に相手の人権を無視した行為です。
そして、介護現場で行われるハラスメントに悩んでいる職員が多くいます。例えば若い女性職員に対する利用者からのセクハラ被害です。しかし中には、「セクハラに耐えられないのであれば介護の仕事に向いていない」とする上司もいます。これは非常に大きな問題です。セクハラ被害にあう女性にはある程度の共通点があるとされています。それは、「要介護者も辛いのだから少しのことは我慢しなければ」「セクハラをされる隙のあった自分が悪い」などと、相手をかばったり自分に非があると考えてしまい、周りへ相談をしないという点です。
また、セクハラに悩む介護職員を組織全体で守っていこうという意識を持っていない施設も少なくないため、たとえ被害があっても見て見ぬふりをしているというケースもあります。しかし、セクハラは重大な人権問題です。それを無視するような職場は、とてもじゃないですがいい職場とは言えません。対策を怠ることで今以上にセクハラがエスカレートしていくことも考えられます。たとえ施設の利用者が介護の必要な身体的弱者であろうと関係ありません。セクハラをされた側のダメージは深く、軽視して良いものではないのです。
ハラスメントを受けることでその人は深く傷つき、仕事に対する意欲や自信は大きく損なわれます。身体的な暴力を伴うハラスメントは、身体だけではなく精神へのダメージも大きくトラウマになる可能性があります。社会全体でみてもハラスメントに対する相談件数は増加しており、職場内でのハラスメントの有無は離職意向に大きく影響します。また、当人だけではなくハラスメントの現場を目撃した人にも影響が及びます。同僚がハラスメントを受けた場面を目撃すれば、当然ながら意欲は低下するでしょう。利用者が目撃すれば、その施設の評判に悪い影響を及ぼすことになります。ハラスメントは当人だけではなく、その周りにも損失をもたらすのです。
本ウェブサイトは、ハラスメントに悩む介護職のみなさんに役立つ情報を紹介しています。介護業界を取り巻くハラスメント問題の現状や対処法などを知り、環境改善に取り組んでいきましょう。「お問い合わせフォーム」